独立を機に、みなさまにその旨をご報告させていただいたのですが、学生時代の師匠である建築家の小川晋一先生からも応援のご連絡をいただきました。26年前、小川建築に憧れて小川研究室の門戸を叩いてから以降、小川先生には多くの指導をしていただきました。研究室にある巨大な真っ白の一枚のミーティングテーブルのある空間に驚いたものです。修士時代、哲学の勉強とコンペばかりしてました。学部生の時は、GAの磯崎先生や原先生の論考の意味が全く理解できなかったことを記憶しています。小川先生の建築の凄さは、その哲学的な思想が込められたミニマルな形態の意匠表現なのですが、それを形づくるために考え抜かれた、一見すると何の変哲もない究極のディテールにあります。実務の設計をすればするほど、その研ぎ澄まされた空間や形態の実現がいかに困難であるかが分かるようになりました。 小川先生との出会いがなければ、その後に出会うことになる、青木茂先生との出会いもなかったかもしれません。 実は、前職時代に担当をさせていただいた建物のクライアントが小川先生にも設計を依頼されていたことを、そのクライアントからお聞きし、少し前になりますが、数年振りに小川先生にお会いして食事をご一緒させていただきました。それ以来、また、色々なご報告などのやりとりをさせていただくようになりました。世界は思っているよりも、小さいものだと感じました。 そのようなことを考えていた時に携帯電話が鳴り、先日、小川先生から母校での特別講義と設計課題の講評のお声がけをいただきました。最近の状況などを簡潔に報告させていただき、講義の依頼については、感謝の気持ちとともに、ありがたく拝受しました。久しぶりに、母校の近畿大学がある広島に行くことになります、電波だけですが。はい、オンラインでの講義と設計課題の講評会参加となります。可能であれば、母校に足を運び、後輩たちに直接講義ができればと思ったのですが、現在の社会状況を鑑みるに難しいことであることは理解しています。 電波だけにはなりますが、母校の教鞭に立つことは、非常に誇らしいものです。また、無理を言って大学院に行かせてもらった亡父にも感謝の気持ちで、少しは恩返しになるのかなと思っています。 小川先生から講義のお声がけをいただいた後、自らの修士論文を改めて読み直してみたのですが、なかなかに稚拙な論文となっており、恥ずかしさもあるのですが、その時に考えていた興味の対象がそのようなことだったのだなと思いました。笑修士論文の題目:方体建築のヴォリュームとしての意匠表現に関する研究 同じ学び舎で学生時代に私が考えていたことなども交えながら、建築の再生を設計することについての講義ができればと考えています。また、その報告は、別途、させていただきたいと思います。
先日、東京大学で講義をさせていただきましたが、今年度、都内の国公立の大学、美大、不動産系学部の大学にて、建築再生に関する講義をさせていただくことになりました。お声がけいただいた先生方には感謝を申し上げます。各大学の特色と講座の特性を踏まえて、授業の準備を進めたいと思います。また、これらのお声がけをいただいた背景については、建築再生の需要の高まりとともに、これからの建築を取り巻く大学のあり方として、必然なのであろうとも感じております。学生のみなさんには、建築再生の魅力と苦労について、お伝えできればと考えています(建築再生は苦労も多いですが、それ以上の魅力を感じて欲しい!)。これからも、建築再生の設計に関する実務と合わせて、建築再生に関する研究や教育についても、真摯に取り組む所存です。これらのことについては、随時、ご報告させていただきたいと思います。
6月23日に私が東京大学で講義をさせていただいた、学部3年生向け授業である建築生産マネジメントの講義に対する、学生さんから提出された70名分のレポートのデータを、7月9日、東京大学の権藤先生から受領いたしました。レポートの提出者には、建築が専攻ではない分野の専攻者や学部3年生ではない院生も含まれており、東京大学は横断的教育を受けることの可能な環境の自由度の高い大学である印象を受けました。講義の際、ZOOMを使用して一方的に私が講義をおこない、最後にチャット機能で文字で質疑を受け回答する流れでしたので、学生さんにどの程度の講義内容が伝わっているかが感じ取りにくかったのですが、提出されたどのレポートも熱量が高く、事前に抱いていた不安は大きく裏切られることになりました。受領したレポートを真剣に拝読したのですが、全てのレポートを読むのに、3.5時間を要しました。 講義を通じて建築再生の実情を垣間見たと思われる学生さんの中には、私の日本建築学会で発表した今回の講義に関連する査読論文1)2)や、私の建築学の博士号を取得した際の博士論文3)、また、当社のホームページに記載している私の考える建築再生に関する記述4)を分析された方もいて、私の講義後に建築再生について向き合い、考察し、講義で得た知見を元に自らの分析をレポートに記しており、レポート作成に真摯に取り組んでいる印象を受けました。レポートを作成する上で得た講義以外の知見の記述には全て出典が記載されており、おおよそ、進路の振り分けにより3ヶ月前から建築学を学び始めた学生のレポートとは思えない文章構成力や比較考察力を感じとることができました。偉そうなことは言えませんが素晴らしい。ちなみに、私の今回の講義に関連する査読論文は一般公開されており、最下に記載のページで閲覧が可能ですので、お時間のある方は、ご笑覧ください。 私の講義では、住宅・非住宅・公共施設の建築再生の手法について、それぞれ構造・法規・文化財の保存と利活用に焦点を絞り、具体的な3事例を掘り下げて解説いたしました。特定の事例に着目し、その事例特有の手法を掘り下げて論理を展開する方や、レポートの記述が講義内容にとどまらずに私の博士論文を出典として博論中心の展開の方、今回の講義で解説した建物とほかの建物との比較考察をされている方、事前の予備調査の重要性に主眼を置く方、また、他の先生方の構法・構造・歴史の講義を踏まえた建築生産に対する考えの整理をされている方など、レポートの記述は実に興味深く、とても斜め読みすることはできない深みのある内容でした。 建築再生の大変さ・煩雑さ・地味さ・面白さ・魅力や、建築再生の専門性が高いために一般化しないことについての考察など、これらの熱いレポートを読み、私も多くの学びと気づきがありました。建築再生の有用性や一般化の必要生が伝わったと感じると同時に、他方、以前より建築再生の要請があったのではと捉える考えや、さらなる、ビックデータ情報等の整理の必要性や建築再生の特殊性など、今後の課題があることなど考えさせられる記述がありました。レポートの中に、私に対するポジティブなご意見も多くいただきましたが、私の方こそ学生の方々にお礼が言いたいくらいで、それぞれの方のレポートにアンサーしたいくらいでした。 当社の屋号である、奥村誠一建築再生設計事務所に再生の文字が入ることに衝撃を受け、その点に着目していた方がいましたが、建物の新築時よりも経年変化した姿に興味があるとのことで、その記述の内容はとても印象的なレポートであり、まさに、私の建築の再生を設計する思いを受け止めてくれていると感じました。新築を設計し造形的な新規性を社会に生み出すことが建築家の本領を発揮することであり、既存建物に手を入れることは本意ではない建築家がほとんどであると捉えていたが、建築再生を事務所名に掲げて本格的に通り組むことは画期的であり、構造・機能・法規などの観点から総合的なソリューションを生み出す積極的な創造行為であると感じると述べており、建築の新しい世界が広がる方向が示されているように思えるとのことだ。しかも、再生という行為で扱うのは文化財のような特殊性のある建物だけではなく、一見、平凡にも見えるビルもその対象になることが可能であり、建築再生が新築と同等の立ち位置を得る日も遠くはないと期待しているとのことでした。 レポートの読後、コロナ禍において、私は爽やかな清涼感に包まれた気がしました。これらの学生の方との意見交換の場などがあれば嬉しいと感じたのですが、なかなか、ZOOM講義では難しく、やはり、直接顔を見ながらの講義の方が私はいいと思ってしまいました。 先日、私が26年前に両親に渡した書類の画像が、独立時に実家の母親から送られてきたのでご覧いただきたく。恥ずかしながら、私がバブル崩壊後の高校生の時に両親に宣言した、独立を夢見て作成した独立後の未来の名刺です。この名刺の社名に建築再生の文字を加えた名刺を今は使用しており、名刺を改めて両親にも渡しましたが、学生のみなさんも現在の志をもって、社会に羽ばたいていただきたく、心よりそれを願っています。この度は、大変貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。 参考文献1)都市環境の形成に寄与する意匠 性を向上した外部からの耐震補 強技術の開発https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijt/20/44/20_241/_pdf/-char/ja 2)東日本大震災により半壊認定を受けた共同住宅のリファイニング設計手法https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijt/21/49/21_1189/_pdf/-char/ja 3)耐震改修をともなう建築再生における設計プロセスの体系化に関する研究https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=4940&file_id=18&file_no=1 4)奥村誠一建築再生設計事務所HPhttps://kenchikusaisei.com/https://kenchikusaisei.com/home/solution/
2020年6月8日、建設経済新聞に当社の創業に関する記事が掲載されました。メディアの媒体を通じて、事務所の創業をみなさまにお知らせさせていただけることは大変ありがたく、同時に、気が引き締まる思いです。お世話になっております建設経済新聞の津金社長に心より感謝申し上げます。現在進行中の建築再生のプロジェクトについても、みなさまに発信できれば幸いです。今後とも、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。
Dear Professor Sinclair & Yuki How are you doing? This is a refreshing email from Tokyo. Tokyo is the rainy season. it’s raining now. But my …
6月23日、東京大学において、建築生産マネジメントの授業の中で建築再生に関する講義をさせていただきました。といっても、大学の教室で講義をおこなうのでなく、5月25日に政府により非常事態宣言の全面解除が発表されてはいるものの、covid-19発生の影響によりオンライン講義となりました。側から見て私の講義をしている様子、すなわち、一人パソコンの画面に向かって独り言を喋っている様は、今までであれば、とても授業をおこなっている姿には見えないものだったと思います。この講義のご依頼を権藤智之先生から受けた当初は、可能であれば、学生さんの顔や様子を見ながら直接講義をおこなう方が、講義内容や演者の熱意が学生さんに伝わるのではないかと思っていました。しかし、講義後、ZOOMのチャット機能を使用しながら文字により質疑を受け、それに答えて議論をするといった形式であったのですが、90名の視聴者、いや、受講者を前に、多くの質疑を受け活発な議論をおこなうことができ、これはこれで、学生さんにとっては質疑しやすいスタイルではないかと感じました。ネットワークの容量の関係上、受講者の映像や音声は演者には流さないようにすることが大学の方針とのことで、反応はチャット機能の文字だけとなります。既に、日本の大学における教育機関においては、オンライン授業が普及しているようですが、自分自身としてはネットワークを利用して一定の人数で画面共有をおこない、双方向のやりとりをすることは経験がありますが、各自が異なる場所に居ながら90名の大人数で同時にネットを通じて場を共有するということはありませんでしたので、貴重で有意義な機会を与えていただき、私自身も多くの学びがありました。講義と質疑を含め、あっという間の90分間で、一定の役割を果たすことができたのではないかと自分では思っています。学部3年生向けの授業ということでしたが、実務寄りの内容でしたので、やや、難解な部分もあったかもしれませんが、行政との対応方法や耐震補強と平立面計画の関連、また、建築再生の現場の最前線のことなど、学部生にとっては、刺激的で関心をもって受講していただけたのではないかと、講義後に多くのキレのある質疑を受けた際に感じました。既存建物を再利用することは、その建物を長寿化させることだけではなく、街並みや都市、あるいは文化を維持し引き継いでいくことにつながると考えており、より、社会全体で建築再生の一般化が進み、受講された学生さんにその気づきがあればよいなとの狙いをもって、講義をさせていただきました。実は、タイムキープのために、アイフォンのストップウォッチをパソコンの横に準備していたのですが、講義開始直後からその存在を忘れ、時間を計らずに講義を始めてしまい、途中、講義の遅延を恐れて少しドキドキしていたのですが、予定の時間内に講義を終えることができ、ホッとしながら質疑応答をおこないました。投稿写真のアイフォンにご注目ください(汗)。2週間後に講義に関するレポートを学生さんからいただけるとのことですので、良い反応であることを願っています。学生のみなさんも大学に登校できず、不安な日々が続いていると思いますが、自らも含め、今できることをに精一杯打ち込んで欲しいと願っています。今回、このような機会を与えていただいた東京大学と権藤先生には心より感謝とお礼を申し上げます。
6月18日、ZO設計室の柿沼整三さんに、編み込んだ幹と豊かな緑の葉が綺麗な、観葉植物のパキラを開業のお祝いにいただきました。パキラは発財樹、いわゆる、金のなる木とも呼ばれており、「奥村、頑張れよ。」という応援の気持ちとして捉えて、花屋さんからありがたく受け取りました。心より御礼を申し上げます。ぜひ、みなさまにもご覧いただきたく、写真を投稿いたします。当社の玄関はたくさんのお祝いの植物で彩られ、いよいよ花屋さんの様相を呈してきました。本当にありがたいことです。柿沼さんとは、前職において、多くの建築再生事業の設備設計者としてご一緒させていただいており、今後も、ぜひ、お付き合いいただければと存じます。また、私が執筆しているインテリアプランナー資格者が受講するための講習テキストの共著者でもあり、学術者としても活躍されています。今年度の講習会はVTR撮影となり、無観客だと柿沼さんからお聞きしました。来週に控える私の東大の講義もZOOMでの講義となりますが、私も与えていただいた使命を全うし、役割を果たしたいと思います。ある案件で、設計まで完了したにもかかわらず、建築主の事情で工事に進まなかった時があり、ご迷惑をおかけしたのですが、事情をすぐにご理解くださり、次の計画をご一緒したことを覚えています。設計が完了し、現場に着手できないことは、設計を生業とする身としては断腸の思いです。引き続き、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。また、これは柿沼さんはじめ、創業の際にたくさんの方からいただいたお祝いの言葉なのですが、困難な時に船出をすると、以降安定して運営することが可能とのことです。この言葉を胸に日々、精進したいと思います。
6月11日、熊本の堀田総合設計の堀田実さんに、優しくも華やかなバラの花束を開業のお祝いにいただきました。心より御礼を申し上げます。ぜひ、みなさまにもご覧いただきたく、写真を投稿いたします。堀田さまとは、創成窪田の経営勉強会でご一緒させていただいていた間柄です。堀田さんは、一級建築士の上位資格である、構造設計一級建築士と設備設計一級建築士の両方の資格を持つ、建築技術分野のスペシャリストなのですが、とても物腰が柔らかく、いつもなごやかに話をさせていただいています。私も同じく実務を行いながら、博士課程で建築再生に関する研究をおこなっていましたが、堀田さんも熊本大学の社会人の博士課程に在籍されており、実務と研究を同時に実践されています。実務をしながら研究をおこない、論文を書くことはとても大変なことで、どちらも、気がそぞろになりがちになり、成果を上げにくい状況だと拝察いたします。設計のこと、再生のこと、研究のことなど、たくさんの議論をさせていただきましたが、このようなお祝いのお花をいただくのは誠に恐縮であり、身に余るものです。お互い心境の分かるもの同士、お付き合いをさせていただきたく存じます。今後もたくさんの交流を通じ、より社会に貢献できるように、精進したいと思います。引き続き、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。ぜひ、博論がまとまったら、拝読させてください!
6月8日、当社の創業に際し、岩部建設の岩部雅人社長に大変立派な胡蝶蘭をいただきました。 何と晴れやかなことか! 当社の創業は、これ以上の難曲はないタイミングでの船出となりましたが、いただいた真白で素敵な株立の佇まいは、当社の未来を暗示するものとして、勝手に捉えています。改めて、暑中にて感謝御礼を申し上げます。 岩部さんは尾張国、セントレア空港の近くの知多郡武豊町に本社を構える大正15年から続く岩部建設の社長であり、先代の岩部一好会長とともに、博学で良識のある地域一番店の施工会社の社長です。岩部さんとは2005年からのお付き合いをさせていただいており、プロジェクトを施主の立場、施工者の立場の両側面からご一緒させていただいています。その際、政治、経済、建設、社会、、時事、読書のことなど、移動中などでお話したさまざまな意見交換は私に人としての潤いをもたらし、静かにではありましたがワクワクするような、楽しい時間を過ごさせていただいたことを私は忘れることはないでしょう。 岩部さんの母校である半田高校の武道場の再生工事をされたことをお聞きしました。竣工までのご苦労は大変なものだったと思いますが、それと同時に、竣工式典において大きな声で母校の校歌の斉唱をされた際は、卒業生が母校の校舎の一部を施工したことは、大変に誇り高きことだったと拝察いたします。 岩部建設のホームページには会長と社長の社員に対するメッセージが掲載されているのですが、多くの人の心に響く文章を掲載されています。ぜひ、みなさまも一読していただけると、その懐の深さを感じることができると思います。https://www.iwabe.co.jp/messages岩部雅人社長、今後も、施工のこと、尾張のこと、社会のこと、教養深き社会の先輩としていろいろとご教授ください。
ネットのメディアニュースに当社の創業を取り上げていただきました。 合わせて、ご覧いただけますと幸いです。 「30×4=120年ターム」説生かす好機 前青木茂建築工房の奥村誠一氏が独立 https://www.rbayakyu.jp/rbay-kodawari/item/5473-30-4-120