東京都立大学には、社会人向けのオープンユニバーシティという生涯学習講座があるのですが、その今年度の冬季講座のプログラムの中で、師匠である東京都立大学の角田誠教授と一緒に、1月18日から2月8日にかけて、4週にわたる連続講座の講師を務めさせていただきました。 1,4回目が角田先生の担当で、2,3回目を私奥村が担当したのですが、最終回には角田先生と私の討論や、受講された方からの質疑に対する応答もおこないました。私の回では、これからの公共建築の活用方法などを、実際に実務に携わった設計者の目線から、具体的な公共施設再生事例における事業全体の流れや苦労話、また計画の勘所などを講義を通じてお話をさせていただきました。 大学院の卒業以来、角田先生の講義を拝聴したのですが、公共施設の再生に関して概観し、今後の公共施設のあり方、特に公民連携の重要性などを示唆されており、私自身も大変勉強になりました。東京都立大学が社会人向けの講座を開講していることについてですが、とても意義のあることだと感じています。いくつになっても、学ぶ気持ちを大切にしたいと思っています。実は、東京都立大学の公開講座は、定員に達しないと開講されず、角田先生の周辺の講座も開講されない講座があったとのこと。本講座は定員いっぱいのご参加をいただきました。とてもありがたく、嬉しい限りです。 また、講義後、具体的な公共施設再生に関する相談をいくつかの特別区の方から受けており、建築再生に対する関心の高さと、喫緊な状況であることを感じました。現在、進行中の建築再生プロジェクトの一つも、別のある講演をきっかけに進んでいます。自らの考えていることを発信することがいかに大切であるかを感じます。 お声がけいただきました角田先生と母校に、心より感謝申し上げます。 今年度は6つの大学で特別講義をさせていただきましたが、来年度は、2つの大学の学部と大学院において、建築構法と建築生産の授業を通年で受け持つことになりました。着任は4月1日からとなります。後日、改めて詳細を報告させていただきますが、来年度以降も実務と合わせて、教育や研究に携わっていきたいと思います。深尾先生が寄稿されていた文章で、建築構法を教える立場にいる者は、実務、もとい、設計ができなくてはならないということを書かれていたことを胸に、建築再生の設計や監理において、実際に直面した問題や解決のプロセスなども学生のみなさんに伝えていくことができればと思います。