8月, 2022

 
8月 29, 2022

著者の1人として執筆していた『建築生産(第三版)』という本が発売されました。(以下、自分なりの謝辞)

 8月29日、著者の1人として執筆していた『建築生産(第三版)』が完本したと出版社から連絡があり、著書が届きました。出版日は8月15日で、発売日は8月30日となります。  建築生産とは、建築をつくるしくみを学ぶ分野なのですが、時代とともに建築のつくりかたは変化し続け、新しい技術や手法、あるいは、建築生産のプロセスを理解しておく必要があり、それらを第二版からさらに分かりやすくアップデートさせることを心がけて、執筆に当たりました。  ことの始まりは東京大学の松村秀一先生からお声がけをいただいたことからであり、建築生産(第二版)を改訂するとのことで、ありがたく、参加させていただきました。私は、恩師の角田誠先生が第二版で執筆された第9章「設計と監理」の部分の改変を、東京電気大学の小笠原正典先生と一緒に担当することになりました。角田先生からのご推薦があったとのことで、角田先生には感謝を申し上げます。  執筆を担当した9章の中で、建築生産を考える上で重要となってきている「建築再生の設計方法」についても節を追加して記述させていただきました。建築全体の執筆者会議とは別に、同章の執筆をご一緒した小笠原先生とは密にやりとりをさせていただきましたことについて、感謝を申し上げます。  本書は松村先生と合わせて、東京大学の権藤智之先生にも編著者として、細やかな調整・指導をいただきました。この場を借りて、両先生には感謝を申し上げます。合わせて、出版社の澤崎明治さま、大村和哉さまにも感謝を申し上げます。  執筆にあたっては、一度も対面で顔を合わせることなく、オンラインでの会議やSlackというコミュニケーションツールを使用しての執筆となりました。少し、寂しい気もしますが、コロナ禍、最善の出版の進め方であったのではないかと思っています。(コロナが落ち着きましたら、先生方にお会いできる機会があるといいなと、勝手ながら思っています。)本書の執筆を通じて、私自身、大変、多くの学びがありました。どの章を読んでもワクワクする内容となっております。全ての共著者の先生方に感謝申し上げます。  すでにアマゾンのページに掲載され、内容の一部が紹介されています。ぜひ、お気軽に手にとって(ポチって)いただければと思いますが、大学での初学者向けの教科書としても利用されている書籍ともなっています。この度は、このような機会をいただき、改めて、関係する全ての皆さまに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 
8月 29, 2022

後輩である秋山徹くんの博士号学位請求論文の公開発表会に参加しました。

 8月27日、後輩である秋山徹くんの学位請求論文『使いながら改修の設計プロセスにおける情報共有構築に関する研究-リファイニング建築を事例として-』の公開発表が私の母校でもある東京都立大学で行われましたので参加してきました。  公開発表会には、私が20年間お世話になった青木茂先生をはじめ、私が担当させていただいた建築再生事例を研究対象としていた東洋大学の秋山哲一先生(名誉教授になられていました。)と宇治康直先生(宇治先生も今年の2月に博士号を取得されてたとのこと!)、秋山くんの同級生である日大の古澤大輔先生や、前職時代の青木茂建築工房の後輩など、多くの人が参加されていたました。この公開発表会はオンラインと併用されていたため、さらに、オンラインでも多くの方が参加されていました。  22年前に私が前職の青木茂建築工房に入社した2年後、事務所に入社してきた秋山くんは、真面目で実直な性格で、小さな物事をコツコツと積み上げていくタイプなのですが、それが結実した成果であったのではないかと思っています。2人が新人であった当時は、2人で事務所に住んでいたのではないかというくらい、明け方まで一緒に作業を進めて、たくさんの議論を交わした言わば戦友であり、あまり、色々なことを話さなくても、阿吽の呼吸で思いが通じる仲間だと思っています。11年前に私が東京事務所の所長、秋山くんが福岡事務所の所長というそれなりの立場になってからは、お互いにしれ〜としていますが(笑)、それでも、それぞれで切磋琢磨して各事務所を盛り上げていきました。  20年前、青木茂先生は建築再生を学問として体系的に整理し、大学で専門領域を作って広めていきたいと言われていました。15年前に青木先生が博士号を取得後、7年前に私も博士号を取得し、いよいよ、秋山くんが博士号取得となります。寝食を忘れて建築再生の設計を行ってきましたが、小さなアトリエから青木先生をはじめとして、3名の博士の学位保持者を輩出するこの青木茂建築工房は、やはり、すごいところだったのだと、秋山くんの発表を聴きながら、改めて、そのように思いました。青木先生は今現在も国内外の客員教授を務められており、私も大学教員として建築再生を含む設計の指導をおこない、また、秋山くんも私の学部の母校である福岡大学で非常勤講師を務めています。  発表後、質疑応答でも活発な議論となり、東洋大の秋山先生、オンライン参加の都立大の讃岐亮先生が質疑や意見を述べられていました。青木先生が秋山くんにおめでとうと、審査の先生方への感謝を述べられていた時は、私が博士論文の発表会をおこなった時と重なりました(その直後、今からタイに出張とのこと!相変わらずのすごいフットワークでした)。最後に副査の竹宮健司先生(サバティカルで竹宮先生の代打で設計演習の非常勤をしたのに副査をされていました、、)、能作文徳先生、主査の角田誠先生がこの博士論文の新規性や独自性を説明し、散会となりました。  建築再生の一般化は道半ばですので、これからも、引き続き、環境循環型社会に向けて精進していこうと思いました。複数の個別の建築再生の設計実績を積み上げながら、同時に、設計者および研究者、両方の立場から再整理して論としてまとめることの大変さを知るものとして、とても感慨深く思っています。秋山くん、本当におめでとう! 2枚目の写真の指は秋山くんで、南大沢のホームでバッタリ会いました。首都大学東京の館名盤が、東京都立大学に戻っていることを教えてくれました。また、今日は、徹夜での発表とのこと。もう、1ヶ月はまともに寝れていないとも。実務をしながら論文を書くのは大変です。