7月, 2021

 
7月 28, 2021

福島県の伊達市にある旧小手小学校リノベーション工事における実施設計コンペの審査員として公開審査会を行いました

 2020年3月に廃校となった福島県の伊達市にある旧小手小学校を再生し、簡易宿泊所や集会所などに用途変更して利活用する事業で、その再生設計者を決めるための設計コンペ審査員を仰せつかりました。  6月25日に第1回プロポーザル審査委員会が開催され、合わせて、現地建物の状況を確認しました。その様子が、福島県建築設計協同組合のホームページに公開されましたのでご覧いただければ幸いです。 第2回審査委員会や第一次審査会を経て、7月20日に最終の第二次審査会が公開でおこなわれ、審査委員長の日本大学工学部の浦部智義先生を中心に、厳正な審査のもと再生設計者を選定し、既に、実務に向けて動き出しているところです。  浦部先生と多くの意見交換をさせていただきましたが、以前、金沢で実施された日本建築学会の大会において、愛知淑徳大学の田島祐之先生にご紹介いただき食事をさせていただいた日本大学工学部のパリーク先生と飲み友達とのことで、学校建築の建築計画のことや建築再生について、また、昨今の学生から大学の先生が評価を受けることなど、移動の車中などで話が盛り上がりました。  現地建物の状況を確認しましたが、建物自体はしっかりとしており、学校が運営されていた頃の歴史を感じる大切な備品や児童の作品などが飾られていました。建物の配置や屋内の空間構成、また、劣化状況などを確認する目的で来校したのですが、ふと廊下で目にした、児童が閉校の際に、学び舎に対する思いを記したものがとても印象に残りました。地域の人口動向や財政状況などを踏まえて、行政は機能を集約するために小手小学校の廃校を決定したとのことのですが、この校舎を解体することはあってはならないと思いました。  審査員である副市長をはじめとして、市の方々ともお話をさせていただきましたが、本事業は、同市初の公有施設の大規模再生事業として位置づけられています。なお、再生後は、地域の歴史展示スペースも併設します。地域の方々の歴史や記憶の継承ためにも、この建物が再生されて、賑わいのある地域の交流拠点となることを期待します。   また、本日、本事業のアドバイザーの依頼を受けました。今回は設計者としてではありませんが、これからも、旧小手小学校の再生事業に携わることになりましたので、良き方向に向かうように、児童や地域の方の思いをしっかりと感じて、進めたいと思います。 http://www.fksk.jp/topics/1048/