武蔵野美術大学と東京工芸大学での2021年度前期の講義が終了しました。

8月 16, 2021

 7月6日に武蔵野美術大学の前期の4年生向けの建築構法の講義が終了し、8月13日に東京工芸大学の建築生産Ⅱの前期の2年生講義が終了しました。それぞれ、13回の講義をおこないましたが、講義や課題の準備を含めて、実務と並行しての講義は、私にとって、とても刺激的なものでした。

 武蔵野美術大学では、基礎的な主体構法と各部構法だけではなく、現代において用いられる構法・技術や建築生産および建築再生について、実務との関わりを実務者の目線でも講義しました。武蔵野美術大学では設計課題を中心に、意匠論や建築計画についての授業が多く、構法や材料、ディテールなどの建築の仕組みについて考える授業があまりないとのことで、提出されたレポートには建築を設計する上で、とても大切なことを学んだとの考察が多く書かれていました。
 最終の期末課題は、自らが最も興味を惹く(あるいは、好きな)建築の再生事例と構法の解説と考察としました。約90名の学生さんが取り上げた60作品のうち、最も興味を惹くとして取り上げた建物の再生事例は、辰野金吾が原設計の東京駅丸の内駅舎2度の保存・復元再生についてでした。また、作品が最も取り上げられた再生設計者は、私の恩師である青木茂先生でした。その他、内田祥哉先生(大阪ガスNEXT21建設委員会)のNEXT21や、宮部浩幸先生の兜町平和第5ビル、田根剛さんの弘前レンガ倉庫美術館、安藤忠雄先生の国立国会図書館 国際子ども図書館なども複数の学生さんが取り上げていました。提出された全てのレポートは、改めて、私自身も勉強になりました。
 講義に際し、近畿大学の池尻隆史先生には、多大なるご指導とご協力をいただきました。改めて、この場を借りて、感謝を申し上げます。

 東京工芸大学では、全13回の授業で自らが携わった耐震改修をともなう建築再生の11事例を解説しました。建築の長寿命化や新築と再生の違い、設計手法や設計プロセスなど、建築再生学を講義しました。これまで、いろいろな大学で講義をさせていただきましたが、本講義のように、深度を深めて建築再生について講義をおこなったのは初めてでしたが、学生さんのレポートでは、建築再生が積極的な創造行為であることを認識し、また、興味をもったとのことでした。
 自宅の再生、大学内の校舎の再生を設計者として、仮想のクライアントである両親や不動産業者、および、大学にむけての企画書を作成することを定期の課題として、学生さんと一緒にディスカッションしながら、身近な建築の再生についても考えました。これからの環境循環型社会や縮小社会に向けての時代に応じた、とても、意義深い講義であったのではないかと考えています。

 講義は自宅や事務所からのオンライン授業や、大学での対面授業やハイブリッド授業など、社会状況に合わせての対応を迫られました。全講義が終了し、学生さんからの評価を武蔵野美術大学の学生さんから受けました。私たちの時代にはなかったと記憶していますが、昨今は、先生側が学生さんから評価を受ける時代です。概ね、良い評価と満足度でしたが、オンライン講義の通信環境を指摘され、これも、コロナがなければ受けなかった指摘ではないかと思いましたが、後期の講義からの改善の必要性を感じました。

 それぞれの大学で、講義に関しての考察や感想を提出してもらいましたが、学生さんは、座学と演習の双方の大切さを感じていました。少しでも、学生さんの学びや今後の建築に向かう姿勢に対して、私の講義が活かされたのであれば幸いです。後期は、大学院の建築構法特論という講義で、建築再生を中心に、9月から武蔵野美術大学で講義をおこないます。気持ち新たに、真摯に取り組みたいと考えています。

 お声がけいただきました、武蔵野美術大学の源愛日児先生、東京工芸大学の森田芳朗先生には、改めて、感謝を申し上げます。

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