日本建築学会が発行する「建築雑誌」に寄稿した論考が掲載されました。
早稲田大学の石田航星先生にお声がけいただきました、日本建築学会が発行する「建築雑誌」という建築の専門誌2021年6月号の「建築生産をアップデートする」という特集号に、「BIMを活用した伝統構法木造の再生技術」と題し、寄稿した論考が掲載されました。建築生産とは、建築のつくり方のことで、企画・設計・施工・維持管理を含む、建築の生産システムを意味します。その中でも、私は、宮大工さんが持つ伝統構法木造における再生技術に焦点をあてて論考しました。
驚くことに、私が設計監理に携わった建築再生の施工をおこなった宮大工さんは、BIM(3次元設計)や3次元レーザースキャナーによる3次元点群採取、さらには、VR(拡張現実)・AR(仮想現実)などの様々な最新技術を用いて、伝統構法木造に取り組んでいた。BIMとは、建築部材に情報を与えつつ、建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理・積算に関する情報を一元化して活用する手法のことで、簡単に言うと、3Dのモデルから平面を切り出して、図面化できる今後の建築業界に求められる共有言語のことです。
古来からの我が国における伝統技術を守りつつも、日々、アップデートされる最新技術を取り入れながら行われる建築のつくり方が、未来に引き継がれていくことを期待させる内容となっています。お手元に建築雑誌がある方は、是非、ご笑覧いただきたく思います。
以下、本文より。私の建築再生に対する姿勢を書かせていただきました。
”既存建物に手を加え入れ、蘇らせ、未来に継承する建築再生に本格的に通り組むことは、意匠性・耐震性・耐久性・機能性・適法性・経済性などの観点から、総合的なソリューションを生み出す積極的な創造行為であると考える。最新の技術を用いた「建築再生」によって、SDGs(持続可能な開発目標)において求められる方向性と一致しているように思える。再生という行為で扱う建物は文化財だけではなく、一見、平凡に見えるビルもその対象になることが可能であり、建築再生が新築と同等の立ち位置を得る日も遠くはないのではないだろうか。”


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