今年度より、東京工芸大学において建築生産Ⅱという講義を担当し、授業をおこなっています。全授業の内容が耐震改修をともなう建築再生に関する建築再生学を教えています。昨年度はコロナの影響から、オンライン授業であったと聞いていましたが、日本では昨年度の後半の第3波以降から感染拡大が抑えられていることから、今年度は対面授業の形式が採用され、感染対策を講じつつも、学生さんを前に講義を行っていました。昨年度の6つの大学での特別講義は、全てオンラインでしたので、今年度の対面授業を嬉しく感じていました。 4月に入り、新型コロナウイルス感染症が収束しないまま、4月25日には緊急事態宣言が再度、発出されてしまいました。5月7日、感染防止の観点から、大学の方針はオンラインと、対面でのオフラインを同時におこなうハイブリッド授業となり、奇数と偶数の出席番号ごとに2つにクラスを分けて教室に入室し学生数を半減するなどして、感染防止対策をとってきました。ハイブリッド講義とはいえ、対面での受講生がいますので、講義に関する直接の反応があったり、また、講義前後の雑談などがありました。 しかし、第4波の感染者数が収束する見通しが立たないこと、突然の感染爆発に備える必要があり、学生さんの安心・安全を第一に考え、5月19日、ハイブリッド授業としていた授業がオンライン授業となってしまいました。これで、武蔵野美術大学と合わせて、本年度、2校ともオンライン授業となってしまいました。現在、演習だけでも、対面・ハイブリッド講義ができないかと、調整を図っているところです。講義内容や学生さんの建築再生に対する反応については、別の機会に投稿できればと思いますが、とても、楽しいです! 添付の2枚の写真は、今年度の講義開始当初4月22日の学内の様子(前)と、先週のオンライン講義が決定した以降のハイブリッド講義の日5月20日の学内の様子(後)の、ほぼ、同時刻の様子です。明らかに、学生さんの人数が減っています。涙。先週、私のクライアントからお聞きした話では、アメリカやオーストラリアは、日常を取り戻しつつあるとのことです。早く、日本も落ち着きを取り戻すことを願います。 4月22日 対面講義時の学内の様子 5月20日 オンライン講義が決定した以降の学内の様子
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建築の再生を設計することについて考えたことや、出会った方々とのできごとなど、
これらのことを発信していきたいと思いますので、合わせて、ご覧いただきたく思います。
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4月15日、東京工芸大学において、今年度前期の4年生を対象とした建築生産2の講義を行なってきました。東京工芸大学では対面での講義となります。毎年、1桁人数が受講すると聞いていたのでアットホームな雰囲気で授業を進めることを想定していたのですが、履修者は38名といつもの4倍以上でした。 授業開始前に、森田芳朗先生の構法研究室にうかがい、森田先生と研究室の学生さんと話をしました。学生さんも昨年度は、全ての講義やゼミなどもオンラインであったとのことで、ちょっとした雑談なども含めて、私自身もみなさんと対面できて嬉しかったのですが、学生さんも喜んでいるようでした。 目黒の自宅から、片道約2時間かかる厚木キャンパスまでは、やや距離がありますが、それでもやはり、対面授業はいいですね。対面授業のためなら、一生懸命、通学します(笑)。学生さんの雰囲気がダイレクトに伝わるので嬉しいです。 また、武蔵野美術大学の2年生を対象とした建築構法の講義も、今週、4月13日から始まっています。こちらは、昨年度と同じく、オンラインでの講義となります。こちらは、約90名の受講者がおり、コロナ対策のために座席の間隔を空けなければならないため、教室が確保できずに、オンライン講義となっております。 どちらも講義もしっかり準備をして、講義をしていきたいと思います。これから、半年間、よろしくお願いいたします!
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本日、4月12日、敬愛する構造家の金箱温春先生から「ディテールから考える構造デザイン」の著書の謹呈を受けました。 謹呈いただき、大変ありがたく感じています。金箱先生からいただきました著書を興味深く拝読させていただきます。改めて、しっかりと、拝読させていただきますが、まずは、著書のご出版についておめでとうございますとお伝えさせていただきました。みなさまにも、先生の著書の魅力を伝えたく、投稿させていただきます。 これまでも、金箱先生の著書を勝手に拝読しておりましたが、本著書は、先生から謹呈いただきました。私が前職時代に担当者として携わらせていただいた「浜松サーラ」という耐震改修プロジェクトが、先生の著書の一部に取り上げていだたいており、大変、嬉しく思っています。浜松サーラの、当時、金箱事務所の当物件の担当者であった木下さんにも大変お世話になりました。改めて、感謝を申し上げます。(耐震補強の基本方針を決めたあの日は、とても、刺激的でした。) これまで、金箱先生には、前職時代に、浜松サーラだけではなく、多くのプロジェクトのご相談をさせていただき、温かくご相談に耳を傾けていただきました。これまで、金箱先生から多くのことを学ばせていただき、私の耐震や構造に対する思考過程は、おおよそ、先生からのご指導から形成されています。師匠である青木茂先生もいつも言われていますが、私にとっても、その後の建築に向き合うにあったての、大切なとてもありがたい出会いだったと、勝手ながらに思っています。 意匠設計者としても、建築の各部(ディテール)の研究者としても、特に、意匠と構造の取り合うディテールについて、学生さんなど、いろいろな方に先生の著書の魅力を伝えていくことができればと考えています。本書は、建築家を志す方の必読書だと思います。 先般、前職時代に担当していた協働会館というプロジェクトの竣工後対応をおこなう際に、協働会館の金箱事務所の担当者である辻さんから、恐縮ながら、金箱先生の建築家と関わるスタンスをお聞きさせていだきました。 「建築家は、いけるとこまでいってみたい。」 建築家にとって構造家の言葉の重みは大きなもので、面倒な要望をお願いすることばかりでしたが、いつも拒否をすることなく聞き入れてくださり、心の支えになっていました。私の考えることについて、まずは、お聞きいただき、限界まで意向を汲んでいただけることなど、まさに、先生の言葉の通りです。おそらく、私含めて建築家は、いつもこういう心理で建築に向き合っていると思います。金箱先生とご一緒に協働させていただき、世界が広がったと、勝手ながら思っています。 金箱先生には、これからもご迷惑をおかけいたしますが、引き続き、ご協力とご教授をいただけますとありがたいと思っています。 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
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インテリアプランナーと呼ばれるインテリア設計者のための資格があるのですが、その令和3年度に資格を更新される方のための、講習テキストを執筆いたしました。今年で4年目となりますので、執筆も4冊目となります。 執筆はテキスト制作の委員である、東京都市大学の小見康夫先生からお声かけをいただいたのですが、その際にも、インテリアの分野における建築再生について執筆してほしいとの依頼がありました。改めて、小見先生には感謝を申し上げます。テキスト全体を拝読しましたが、リフォームや設備を含む改修などを含めた建築再生に焦点を当てた内容も多く、これらの分野の関心の高さがうかがわれます。 私が担当する項目は、構法の分野となります。耐震改修を伴う建築再生とインテリア設計と題して、テキストを執筆しています。耐震改修をする場合にもインテリア設計をする必要がありますので、耐震補強や躯体補修に関しての知識を習得してほしいとの思いで執筆しています。また、インテリア設計の内容によっては、建築基準法や消防法などの関係法令に関わる計画をする場合もあるため、着目すべき要点なども執筆しています。 建築再生は、新築と施工の手順が異なり、既にある建築部材を活かしながら、取り合いや納まりを調整する必要があります。既存の設計図があったとしても、必ずしもその通りに施工されてないこともあり、それを考慮したインテリア設計を行う必要もあります。このよう対策を事前に講じておくことを、「にげ」をとると言うのですが、その工夫の仕方なども書いています。 新築にない、不確定な要素が多いことが建築再生の特徴ですので、そのことを理解してほしいとの思いを込めて執筆しました。これからも建物の長寿化はますます必要になると思いますので、その技術向上ために、日々、自らも最新の知識や技術を習得して、知見を深めていきたいと思います。
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2021年4月1日、武蔵野美術大学の造形学部の建築学科において、非常勤講師に着任いたしました。前期、学部2年生を対象とした「建築構法」の指導をおこないます。全13回の授業となります。 合わせて、武蔵野美術大学大学院の造形研究科デザイン専攻の建築コースにおいても、後期、大学院の1・2年生を対象とした「建築構法特論」の指導をおこないます。全13回の授業となります。 源愛日児先生の退官にともない、源愛日児先生から後任を仰せつかりました。本学において、学部大学院を通じて建築構法・建築生産分野の指導をするのは、私のみとなり、大変、重責を感じています。 また、本講義は建築構法において、主体構造や各部構法を学ぶための座学だけではなく、美術大学らしく、ディテールの習得を目指した設計演習が建築構法の講義の中にあるのが特徴です。「デザインと建築構法は連動する。」深尾先生が言われていた、建築構法を教える者は設計ができなくてはならないという教えを胸に、学生さんと向き合っていきます。前期は、オンライン授業となります。後期は社会状況を鑑みて、改めて、判断することになります。 お声がけいただいた武蔵野美術大学と源愛日児先生に感謝を申し上げるとともに、本講義に対して真摯に取り組む所存です。
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2021年4月1日、東京工芸大学の工学部・建築学系の建築コースにおいて、非常勤講師に着任いたしました。前期、学部4年生を対象とした「建築生産II」の指導をおこないます。全13回の授業となります。本学は1コマが90分ではなく、110分授業で、全ての授業は対面授業となります。 本講義は、全授業において、建築再生の設計プロセスの指導をおこないます。建築生産の分野においても、建築再生への関心が高まっており、建築再生の用途・目的別に、企画調査・再生設計・施工時に着目する要点を解説いたします。 言うなれば、「建築再生学」を指導するような講義であり、建築再生が重要と考える自らの理念と授業方針が一致した、とても意義深い講義になるのではないかと考えています。 お声がけいただいた東京工芸大学と森田芳朗先生に感謝を申し上げるとともに、本講義に対して真摯に取り組む所存です。
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東京都立大学には、社会人向けのオープンユニバーシティという生涯学習講座があるのですが、その今年度の冬季講座のプログラムの中で、師匠である東京都立大学の角田誠教授と一緒に、1月18日から2月8日にかけて、4週にわたる連続講座の講師を務めさせていただきました。 1,4回目が角田先生の担当で、2,3回目を私奥村が担当したのですが、最終回には角田先生と私の討論や、受講された方からの質疑に対する応答もおこないました。私の回では、これからの公共建築の活用方法などを、実際に実務に携わった設計者の目線から、具体的な公共施設再生事例における事業全体の流れや苦労話、また計画の勘所などを講義を通じてお話をさせていただきました。 大学院の卒業以来、角田先生の講義を拝聴したのですが、公共施設の再生に関して概観し、今後の公共施設のあり方、特に公民連携の重要性などを示唆されており、私自身も大変勉強になりました。東京都立大学が社会人向けの講座を開講していることについてですが、とても意義のあることだと感じています。いくつになっても、学ぶ気持ちを大切にしたいと思っています。実は、東京都立大学の公開講座は、定員に達しないと開講されず、角田先生の周辺の講座も開講されない講座があったとのこと。本講座は定員いっぱいのご参加をいただきました。とてもありがたく、嬉しい限りです。 また、講義後、具体的な公共施設再生に関する相談をいくつかの特別区の方から受けており、建築再生に対する関心の高さと、喫緊な状況であることを感じました。現在、進行中の建築再生プロジェクトの一つも、別のある講演をきっかけに進んでいます。自らの考えていることを発信することがいかに大切であるかを感じます。 お声がけいただきました角田先生と母校に、心より感謝申し上げます。 今年度は6つの大学で特別講義をさせていただきましたが、来年度は、2つの大学の学部と大学院において、建築構法と建築生産の授業を通年で受け持つことになりました。着任は4月1日からとなります。後日、改めて詳細を報告させていただきますが、来年度以降も実務と合わせて、教育や研究に携わっていきたいと思います。深尾先生が寄稿されていた文章で、建築構法を教える立場にいる者は、実務、もとい、設計ができなくてはならないということを書かれていたことを胸に、建築再生の設計や監理において、実際に直面した問題や解決のプロセスなども学生のみなさんに伝えていくことができればと思います。
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みなさま、2021年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年は大変お世話になりました。 本年、当社は、1月4日から始動しております。 コロナ禍、極めて難しい選択を迫られる世の中となっておりますが、楽しく元気を失わずに、前に向かってしっかりと歩みを進めたいと存じます。 いつも年始に感じておりますが、箱根駅伝のランナーように、何が起こっても、粘り強く、前に進んでいきたいと思っております。東京に来る前から箱根を見ていましたが、都立大に入学後、特に今年は、より真剣にそれを拝見していました。都立大の成績は、予選会参加校49校の中で、一昨年は45位でしたが、何と今年は36位。これでも母校にとっては快挙です。 昨年の4月に独立して建築の再生を設計する事務所を開設し、ウィズコロナの社会になり、ますます、人とのつながりや縁の大切さを身に染みているところです。 仕事のオファや大学での講演のご依頼など、一つ一つ、全てのことがありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。これらの一つ一つのできごとを大切に日々を過ごしていきたいと考えています。 20年間勤めさせていただきました青木茂先生の事務所を独立後、自らの事務所を経営しておりますが、本当に大変なことばかりです。これまでの自らの甘さを痛感しておりますが、それでもなお、自らの判断が最終の意思決定になることや、いろいろな方との新たな出会いなど、ワクワクすることが多く、苦しみながらも楽しく建築しているところです。 今年は、コロナの影響により、地元の福岡に帰省できずに、自宅で各種データと気持ちの整理をおこなっていました。 また、遅ればせながら年末に、後輩の野田恒雄くんが事務局をしている、横浜のバンクアートというところで行われている建築の展示会である「村野藤吾展」に滑り込み、熱量の高い村野事務所の図面を拝見して勉強をさせていただきました。野田くんとも意見交換をして、お互いにエールを送り合いました。頑張っている方々とお会いして、話しができることがこんなにも楽しいことで大切なことだとは、昨年のコロナ前までは思いもよりませんでした。 村野藤吾展が開催されていた建物は、旧横浜生糸検査所の4棟のうち、1棟を再現した建物である新たな美術館「BankART KAIKO」なのですが、そこには旧横浜生糸検査所で使用されていた外壁のスクラッチタイルの遺構も屋内の床に展示される形で残されていて、展示だけではなく、建築も楽しく拝見させていただき、私としては、いろいろな魅力あふれる村野藤吾展でした。建物の残し方や愛着にはいろいろな手法があると感じました。村野藤吾は、私の地元である福岡県北九州の八幡市民会館を設計された偉大な建築家で、その他の建築も含めて、絶対に見に行きたいと思っていた建築の展示でした。横浜のこれらの建物は、階段室の増築の手法など、霞ヶ関にある文科省の建物同様に、前職時代に基本設計で東京に来るまでに少しだけ建築再生事業に携わっていました戸畑図書館(旧戸畑区役所)と似ていると感じました。(私は戸畑で育った、戸畑高校出身です。) コロナ禍、どうぞ、みなさまご自愛くださいませ。 今後とも、引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 奥村誠一建築再生設計事務所 代表 奥村 誠一
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吉川さん、おめでとうございます!!私としても、誇らしいです。 前職時代に、港区指定有形文化財「旧協働会館」の保存整備の設計監理の担当をさせていただいたのですが、その文化財建物の木工事を施工していただいた、宮大工集団「吉匠建築工藝」の吉川棟梁から連絡があり、12月17日、日本の伝統木造建築物を受け継いでいくための技術がユネスコの無形文化遺産への登録が決まったとのことでした。このことを、みなさまにもお知らせしたく、NHKに報道されたニュースを投稿いたします。 吉川さんは、ハイテク宮大工の棟梁です。(映像に出ている方は、大棟梁の吉川さんのお父さまです。)現場では、設計図における各部の納まりの疑問点などを、吉川さんが作成したBIMと呼ばれる3Dを用いて指摘を受けたりしました。「反りのある入母屋の軒先が納まっていなんだけど、どうしますか、など」汗。設計者が、大工さんから、CGを用いて、図面の不足点を指摘されるなど、なんともお恥ずかしい話です。 大変な現場でしたが、一緒に現場を乗り切った「戦友」です。今では、いろいろな相談にのっていただくなど、親交が深まりました。1月には、私も所属する日本建築学会の各部構法委員会で、講演をしていただくなどの段取りを進めています。 素晴らしい日本の伝統木造技術が、ユネスコに登録されることで今一度見直され、伝統木造が後世に受け継がれていくことを望みます。 https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92639701.html https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000722.html?fbclid=IwAR1e0VxEEpESWJKKdQLAJ-Bfr1k-rZY5r_As6tfZONOEW0-sXcKAQWtl4vs
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屋上緑化や燃料電池システム、太陽光発電などのエネルギーシステムを拝見しました。導入当初より発電効率も向上していました。敷地面積が約1500平米に対して緑化面積は約1000平米と、真冬にも関わらず、緑に囲まれた豊かな外部空間を感じました。これだけの緑化をすでに30年前から計画し、実際に生み出しているこの建物に最初から圧倒されました。屋上は、大阪城付近からあべのハルカス側に飛ぶ野鳥の休憩場所にもなっていて、生物多様性にも寄与しているとのことでした。 この実験住宅は、1993年より実験と検証が続いており、100年もつ構造躯体と、設備や内外装を適宜更新可能なシステムとなっており、段階的に改修を行う実証実験を行っているのですが、今回、2020年度に改修された3階の「自在の間」と呼ばれる住戸は、共に暮らしたい人たちが、自在に住むことができる可変性をもっていました。外部とも内部ともなる領域があり、また、バブリックにもプライベートにも可変可能な仕組みに合わせて空間の仕切り方と建具に細工がされており、換気をも考慮した自由度の高い、まさに「自在」の家であると感じました。 その他のこれまでの住まい方実験と結果の話をお聞きしましたが、特に、深尾先生がシステムを作りだした304住戸や、シーラカンス設計のシェアハウス303住戸の入居者の話など、貴重なお話をお聞きすることができたことは、ありがたいことでした。内田先生がこれからも実験をし続けていくことが重要であると言われていると、深尾先生からお聞きしましたが、それを実践されている大阪ガスにも感銘を受けました。見学後のディスカッションはそれぞれの方々の鋭い見解が飛び交い、これからの集合住宅における重要な示唆をいただきました。 我々がこの実験住宅を通じて考えなければならないことは、これからの既にある集合住宅のことです。日本にある全ての集合住宅をリセットして、ゆとりのある集合住宅に作り替えることなど不可能な社会であり、設計者として依頼を受ける建物所有者の漠然とした不安を解消するべく、高度経済成長やバブル経済を経た現状を受け止める必要があると考えます。既にある集合住宅を長く使っていくためには、この実験住宅で検証された知見を活用しながらも、それぞれの建物にあった技術を取り入れて、再生していくことが必要となります。階高や床下空間も小さい既にある集合住宅をどのように活用していくかについて、既にある建物の全てを否定するのではなく、それを受け入れつつも、どのように再生していくべきなのかを考えていかなければならないと感じました。また、同時に「集まって住う」ことを改めて自らに問うきっかけになりました。 そのようなことを思いながら見学のことを振り返りつつ、現在、進めている耐震改修をともなう集合住宅の再生のプランを帰りの新幹線の中で考えていました。 お声がけいただいた深尾先生をはじめ、大阪ガスの方々、また、ご一緒に見学をさせていただいたみなさまに感謝を申し上げます。