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10月 17, 2022

六本木のミッドタウンで行われている「環るデザイン」を体感してきました。

 10月16日、六本木のミッドタウンで10月14日からおこなわれている、東京ミッドタウンデザインタッチというデザインの祭典に行ってきました。  東京ミッドタウンデザインタッチとは、「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトに、2007年から開催されているデザインの祭典で、今年は「環(めぐ)るデザイン」をキーワードに、デザインの魅力や可能性を身近に体感できるイベントが行われていました。  今年の目玉は、芝生広場に設置された永山祐子さんが設計している「うみのハンモック」という36m×12mのインスタレーションです。海の波のように見えるのは連なるハンモックとタープで、これらの素材は廃棄された漁網をアップサイクルした糸でできています。海洋汚染や生態系へ影響が問題となっている海洋ゴミ、循環のデザインにのせることで「環(めぐ)る」モノとして人々につなげる試みでした。なお、展示が終わると素材は再利用され、さまざまなもに再び生まれ変わることのです。  多くの家族連れや若者がこの「うみのハンモック」で休日を楽しんでいて、優しい風景がそこにはありました。もう、単にデザインがカッコイイから、とかいうことがもてはやされる時代ではないですね。地球環境を考えながら、楽しさや喜びをつなげることに、デザインの役割があると思います。環境と風景を大切にしていきたいと思いました。  1日ではとても全てを見て回ることはできないくらい、たくさんの企画が六本木ミッドタウンで行われており、ミッドタウンはデザインに溢れています。いつみても、21_21デザインサイトは美しかったし、隣接する公園には彫刻のような美しい滑り台やブランコなどもありました。東京ミッドタウンアワード2022の受賞作品の展示も見てきましたがどれも楽しく、デザインの力を感じました。日頃、自宅で使用しているうすはりの富士山グラスもこのアワードの受賞作品とのことでした。驚  11月3日まで行われている企画ですので、みなさんも六本木に寄ることがあれば、ぜひ、「環るデザイン」を楽しんでみてください。 https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/

 
9月 11, 2022

教え子である本学の3年生が、建築学縁祭で100選に選ばれました。

 教え子の本学3年生の川村幸輝くんが、首都圏学生で競う設計競技で100選に選ばれました。建築学縁祭とは、今年で第2回目となる建築設計イベントで、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県(首都圏)のエリアを対象に、建築を学ぶ現役学生を応募対象としたフリーエントリー制の設計課題講評審査会です。  9月4日に2次審査があり、10選を選ぶ審査があったのですが、残念ながら、10選には選ばれませんでした。模型もブラッシュアップしていましたが、展示されている作品は、どれも模型の迫力がありました。それでも、約500点の中から選ばれた100選ですので、胸を張っていいと思います。  3年生の美術館の設計課題で私のクラスで教えていましたので、嬉しく思います。前期課題終了後、これらの設計競技に応募してみてはと、学生さんたちには伝えていたのですが、川村くんからメールがきて、私が伝えるすでに前から応募の準備をしていて、提案書類のブラッシュアップをしていたとのことでした。  2次審査当日は日本建築学会の大会発表の準備などもあり、私は参加することはできませんでしたが、前日の9月3日、たまたま、研究で上京してきていた愛知淑徳大学の田島祐之先生と一緒に、会場の工学院大学で展示の様子を見てきました。本学の種田元晴先生が、学生の発表の審査のために、登壇されていました。  今後も、本学の学生さんには、学内だけではなく、コンペなどの学外での活動にも目を向けて欲しいと思います。ちなみに、最優秀賞(1等)は、昨年、建築構法を教えた、武蔵野美術大学の学生さんでした。驚  工学院大学は、本学から徒歩数分の場所にあるのですが、その行きがけの甲州街道に、ユーチューバーのはじめしゃちょーが、移動しながらドラクエXをプレイしていました。東京には色々な人がいるものですね。笑 https://www.kenchikugakuensai.net/results

 
8月 29, 2022

著者の1人として執筆していた『建築生産(第三版)』という本が発売されました。(以下、自分なりの謝辞)

 8月29日、著者の1人として執筆していた『建築生産(第三版)』が完本したと出版社から連絡があり、著書が届きました。出版日は8月15日で、発売日は8月30日となります。  建築生産とは、建築をつくるしくみを学ぶ分野なのですが、時代とともに建築のつくりかたは変化し続け、新しい技術や手法、あるいは、建築生産のプロセスを理解しておく必要があり、それらを第二版からさらに分かりやすくアップデートさせることを心がけて、執筆に当たりました。  ことの始まりは東京大学の松村秀一先生からお声がけをいただいたことからであり、建築生産(第二版)を改訂するとのことで、ありがたく、参加させていただきました。私は、恩師の角田誠先生が第二版で執筆された第9章「設計と監理」の部分の改変を、東京電気大学の小笠原正典先生と一緒に担当することになりました。角田先生からのご推薦があったとのことで、角田先生には感謝を申し上げます。  執筆を担当した9章の中で、建築生産を考える上で重要となってきている「建築再生の設計方法」についても節を追加して記述させていただきました。建築全体の執筆者会議とは別に、同章の執筆をご一緒した小笠原先生とは密にやりとりをさせていただきましたことについて、感謝を申し上げます。  本書は松村先生と合わせて、東京大学の権藤智之先生にも編著者として、細やかな調整・指導をいただきました。この場を借りて、両先生には感謝を申し上げます。合わせて、出版社の澤崎明治さま、大村和哉さまにも感謝を申し上げます。  執筆にあたっては、一度も対面で顔を合わせることなく、オンラインでの会議やSlackというコミュニケーションツールを使用しての執筆となりました。少し、寂しい気もしますが、コロナ禍、最善の出版の進め方であったのではないかと思っています。(コロナが落ち着きましたら、先生方にお会いできる機会があるといいなと、勝手ながら思っています。)本書の執筆を通じて、私自身、大変、多くの学びがありました。どの章を読んでもワクワクする内容となっております。全ての共著者の先生方に感謝申し上げます。  すでにアマゾンのページに掲載され、内容の一部が紹介されています。ぜひ、お気軽に手にとって(ポチって)いただければと思いますが、大学での初学者向けの教科書としても利用されている書籍ともなっています。この度は、このような機会をいただき、改めて、関係する全ての皆さまに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 
8月 29, 2022

後輩である秋山徹くんの博士号学位請求論文の公開発表会に参加しました。

 8月27日、後輩である秋山徹くんの学位請求論文『使いながら改修の設計プロセスにおける情報共有構築に関する研究-リファイニング建築を事例として-』の公開発表が私の母校でもある東京都立大学で行われましたので参加してきました。  公開発表会には、私が20年間お世話になった青木茂先生をはじめ、私が担当させていただいた建築再生事例を研究対象としていた東洋大学の秋山哲一先生(名誉教授になられていました。)と宇治康直先生(宇治先生も今年の2月に博士号を取得されてたとのこと!)、秋山くんの同級生である日大の古澤大輔先生や、前職時代の青木茂建築工房の後輩など、多くの人が参加されていたました。この公開発表会はオンラインと併用されていたため、さらに、オンラインでも多くの方が参加されていました。  22年前に私が前職の青木茂建築工房に入社した2年後、事務所に入社してきた秋山くんは、真面目で実直な性格で、小さな物事をコツコツと積み上げていくタイプなのですが、それが結実した成果であったのではないかと思っています。2人が新人であった当時は、2人で事務所に住んでいたのではないかというくらい、明け方まで一緒に作業を進めて、たくさんの議論を交わした言わば戦友であり、あまり、色々なことを話さなくても、阿吽の呼吸で思いが通じる仲間だと思っています。11年前に私が東京事務所の所長、秋山くんが福岡事務所の所長というそれなりの立場になってからは、お互いにしれ〜としていますが(笑)、それでも、それぞれで切磋琢磨して各事務所を盛り上げていきました。  20年前、青木茂先生は建築再生を学問として体系的に整理し、大学で専門領域を作って広めていきたいと言われていました。15年前に青木先生が博士号を取得後、7年前に私も博士号を取得し、いよいよ、秋山くんが博士号取得となります。寝食を忘れて建築再生の設計を行ってきましたが、小さなアトリエから青木先生をはじめとして、3名の博士の学位保持者を輩出するこの青木茂建築工房は、やはり、すごいところだったのだと、秋山くんの発表を聴きながら、改めて、そのように思いました。青木先生は今現在も国内外の客員教授を務められており、私も大学教員として建築再生を含む設計の指導をおこない、また、秋山くんも私の学部の母校である福岡大学で非常勤講師を務めています。  発表後、質疑応答でも活発な議論となり、東洋大の秋山先生、オンライン参加の都立大の讃岐亮先生が質疑や意見を述べられていました。青木先生が秋山くんにおめでとうと、審査の先生方への感謝を述べられていた時は、私が博士論文の発表会をおこなった時と重なりました(その直後、今からタイに出張とのこと!相変わらずのすごいフットワークでした)。最後に副査の竹宮健司先生(サバティカルで竹宮先生の代打で設計演習の非常勤をしたのに副査をされていました、、)、能作文徳先生、主査の角田誠先生がこの博士論文の新規性や独自性を説明し、散会となりました。  建築再生の一般化は道半ばですので、これからも、引き続き、環境循環型社会に向けて精進していこうと思いました。複数の個別の建築再生の設計実績を積み上げながら、同時に、設計者および研究者、両方の立場から再整理して論としてまとめることの大変さを知るものとして、とても感慨深く思っています。秋山くん、本当におめでとう! 2枚目の写真の指は秋山くんで、南大沢のホームでバッタリ会いました。首都大学東京の館名盤が、東京都立大学に戻っていることを教えてくれました。また、今日は、徹夜での発表とのこと。もう、1ヶ月はまともに寝れていないとも。実務をしながら論文を書くのは大変です。

 
7月 29, 2022

今年度の前期の授業が終了しました。

 7月22日、3年生が取り組んでいる美術館の設計課題でおこなわれた講評会をもって、今年度の前期の授業が全て終了しました。この課題は2部構成になっており、どのような美術品を展示するかの企画書を作成し、企画書に基づく設計をおこなうというものでした。想定する敷地の場所を読み解き、その場所、そのエリア、その都市だからこそ成り立つ美術館を企画します。設計前の企画を整理することの重要性を学んだのではないかと思います。  講評会には私の学部の後輩でもある、日建設計のウッドラボリーダーの大庭拓也先生を外部クリティークとしてお呼びして、講評をおこなってもらいました。非常勤講師である小栗幹雄先生と科目の代表教員である渡辺裕子先生と一緒に、学生さんと白熱した議論になったと思います。代表者に選ばれた学生さんもしっかりと発表をおこない、質疑の受け答えもできていました。今の本学の3年生はコロナの影響により、これまで2年間、入学当初からオンライン授業だったのですが、今年度から初めて対面授業を受け、戸惑いもあったと思いますが、楽しみながら対面授業を受けていたと感じました。講評後、特別講義もおこなってもらいましたが、地球に対する影響を最小限に抑える建築づくりのあり方や、森林や木材利用に関わる社会システムの話まで、学生さんたちにも分かりやすい楽しい講義でした。  また、3年生は同時に2つの演習課題を進めていました。私のクラスは建築再生の演習課題「時がつくる建築」と題して、設計課題に取り組んでいました。台東区の谷根千のまちを歩いて、興味を引いた建物を選定して歴史を紐解き、その建物の再生活用を提案するという課題なのですが、図面もないため、できる限りの調査をおこなって、間取りや構造体を想像して建築構法を学びながら既存図面を復元します。その上で活用提案をおこなうのですが、3年生は敷地が設定されていない設計課題に取り組むことが初めてだったので、最初は戸惑っていましたが、課題提出時の感想を聞くと楽しめたとのことでした。まちや建物に潜む課題や問題を見出し、それを解決するという過程は、今後の卒業設計や卒業論文などに活かされるとの思いで、この課題を設定しました。  最終日、外部クリティークとして台東区の用地・施設活用担当部の伴部長と、同区の都市づくり部地域整備第三課の反町課長に来席いただき、リアルな視点での講評をおこなっていただきました。学生さんは多くの刺激を受けたと思います。2つの課題を同時に進めることは、時間の管理が難しく、終盤は徹夜が続いた学生さんも多くいたようでしたが、達成感が得られたと感想には書いていました。建築をおこなうためには、複数の物事を同時に進めるマルチタスクの能力が求められますので、その訓練にもなったと思います。  2年生の住まいの設計、4年生の日本建築学会が主催する茶室コンペへの取り組みなど、私は前期の設計演習を4つ指導してきましたが、学生さんは、対面となった今年度からの授業を楽しみながら進めることができたのではないかと思います。  最近、コロナ第7派の影響により学内の感染者数も一気に増加していましたが、前期、非常勤講師をさせていただいている東京都立大学と武蔵野美術大学の授業も終了し、大きなトラブルもなく、何とか前期の全ての日程を終えることができました。個人的には実務との両立が大変でした。二足のわらじを履いている建築家の先生、上手なわらじの履き方を教えてください。笑。学生さんと一緒に取り組む設計課題や座学の授業は本当に楽しかったです。みなさま、どうも、ありがとうございました。

 
6月 16, 2022

「型染〜日本の美」という和装の展覧会を観に行きました。

 6月15日、本学の敷地内にある文化学園服飾博物館で今日から行われている、「型染〜日本の美」という衣服の展覧会を観に行きました。  学内の教職員に向けての案内メールが届き、せっかく、ファッション分野が中心の大学に着任しましたので、この展覧会に行ってみることにしました。入り口の受付の方に入館料を支払おうと声をかけたのですが、本学の学生さん?などと言われ、あ、いや、違うんですと少しウロタエましたが、(分かるでしょと思いながらも)造形・建築の教員であることを伝えたところ、無事に?入館することができました。  型染とは、紙や木の型を使って布に文様を表す染織技法のことで、模様配置や反復の諧調など、建築の表現方法の学びにもなりました。内部空間は江戸時代から現代に至るまでの時系列に沿って4つの時代に分類し、それぞれの時代の特色や実物が分かりやすく展示されていました。内部の展示空間は展示物を痛めないために薄暗く雰囲気がありますが、撮影不可でしたので、実際の展示物は現地でご覧ください。  個人的にはあまり着物は馴染みがないのですが、祖母の形見がたくさん実家にあったことを記憶しています。建築屋としては、以前、愛知県で出席した安全祈願祭で施工会社である岩部建設さんが、お揃いの印半纏(しるしはんてん)を着ていたことを思い出しました。印半纏は経営者が従業員に配る羽織りものであり、着用するものの所属や帰属の意思表明などの意味があるとのことで、何とも粋なものだと感じた記憶があります。  日本の伝統的な服飾の起源と変遷を辿りながら、その技術力の高さと繊細な美意識を垣間見ることができました。型染の着物の生産量は減少しているものの、古くからの伝統や技術を守り引き継いでいく姿勢に、建築と照らし合わせて共感しました。伝統の注染で染められた、文化学園服飾博物館オリジナルの糸へんの手ぬぐいが販売されていたのと、手ぬぐいを集めていることもあり、売上貢献のために購入することにしました。  帰り際、受付の方に、先生どうでしたかと声をかけられ(お互いに笑)、勉強させていただいた旨を伝えて研究室に戻りました。本日から8月4日までの開催となっていますので、新宿に予定があり、お時間とご興味のある方は、ぜひ、足を運んでみていただけると幸いです。来館者のほとんどの方が着物を着用されていたのですが、さすが、文化だなあと思いました。  ちなみに、毎年1日だけ、本学は教職員も学生さんもドレスコードが設定される日(今年は7月7日)があります。今年はピンクということで、どうしようか悩んでいます。当日、新宿駅付近にピンクをまとう人がいたら、その方は本学の関係者です。笑 https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition4283/  また、6月17日金曜日から19日までの3日間、本学の文化学園遠藤記念館大ホールにてファッションショーも開催されますので、合わせて、ご興味のある方は、ぜひ、足を運んでみていただけると幸いです。 https://bwu.bunka.ac.jp/info/2022/04/12892

 
5月 18, 2022

本学の学生さんと台東区にある谷中の街歩きをおこないました。

本学の学生さんと台東区にある谷中の街歩きをおこないました。  5月17日、3年生の建築デザイン演習1における建築再生設計課題の敷地と建物探しのために、本学の私のクラスの学生さんと台東区にある谷中の街歩きをおこないました。まちづくりのための建築再生の好例として、昨年、國學院大学の椎原晶子先生にご案内いただいた歴史的建造物群を見学させていただきました。  学生さんと日暮里駅西口で集合した後、最初に、築100年の銅細工の職人である大沢家の屋号である「銅菊」の古民家を再生した、大丸松坂屋百貨店の町家オフィス「未来定番研究所」を、研究員の窪さんにご案内いただきました。感染予防対策のために、建物の見学は数人に別れておこないました。本学の周辺にある新宿副都心の超高層ビルで働くよりもクリエイティブな発想が生まれそうで、何度、拝見しても素敵なオフィスでした。  次に、東京藝術大学の渡邉尚恵先生とたいとう歴史都市研究会の管原さんに、国登録有形文化財建造物である築100年を超える市田邸をご案内いただきました。2001年にこの建物は保存再生されているのですが、室内に入ると時間がゆっくりと流れているような感覚になりました。コロナがやや収束した今は、お茶会やバザー、演劇などの文化的な活動をすこしづつ再開されているとのことでした。2階は住み込みで、管理や清掃などをおこないながら、芸大の学生さんが住まわれているとのこと。文化財に住みながら、文化的な活動をおこなえるのは幸せだろうなと思いながら、建物を拝見させていただきました。  その他にも、昭和13年に建てられ築80年が経過した三軒家が路地でつながり、ビアホールやパン屋さん、雑貨屋さんなどとして活用されている「上野桜木あたり」も拝見させていただきました。パン屋さんは何かの撮影で営業をされていませんでしたが、3号棟1階の塩とオリーブオイルを販売している「おしおりーぶ」では、店長の石塚さんといろいろとお話をさせていただき、乾燥ポルチーニ入りの塩を購入しました。学生さんも少し遅めの母の日のプレゼントとして、同じものを購入していました。まだ、食べていませんが、楽しみです。ビールを飲んで、パンを食べ、バザーを楽しみ、塩と油を買う、休日のひとときにオススメです。  谷中が初めての学生さんが多く、街なみや建物の保存利活用にとても興味を持ったことと思います。たくさんのまちづくりに関わる方々に色々な話しを聞くこともできました。谷中は、時間があれば、まだまだ、たくさんの建物の見学に行きたくなるまちでした。コロナの影響により、2年間、オンライン授業だったのですが、今年度から対面授業が再開し、学生さんも活き活きとしているように見えました。これから、各自で選んだ建物を設定し、利活用提案を建築再生設計課題でおこないます。この再生設計課題の講評会に台東区の方も出席していただけるとのことで、楽しい提案を期待しています。  講評会の参加の了解と観光案内のパンフレットをいただきました台東区の伴部長には、感謝を申し上げます。また、谷中のエリア分析のための建物見学に際し、椎原先生と渡邉先生には、事務手続きにおいてご丁寧な対応をおこなっていただきました。改めて、感謝を申し上げます。 追伸 カヤバ珈琲で食べたたまごサンドは美味しかったです。 

 
4月 13, 2022

今年度、前期の大学での授業が始まりました。

 2022年4月12日、本学の建築・インテリア学科における今年度の授業が始まり、私の受け持つ授業も始まりました。昨日はコロナ対策を講じつつ、3年生の建築デザイン演習Ⅰの授業をおこないました。授業前に撮影した対面授業をおこなった教室の様子を投稿します。前期、私は集中講義を含む7つの授業を受け持っていますが、そのうち、新築ではない建築再生に関する授業は5つになっています。時代の要請に応じた授業をおこなっていきたいと思います。 建築デザイン演習Ⅰの授業は3名の教員で分担しているのですが、私のユニットでは、「時がつくる建築 Architecture in time」と題して、東京下町の雰囲気を残す谷根千エリア(谷中・根津・千駄木)における、既存建物の活用提案をおこなうこととなっています。課題のテーマである「時がつくる建築」は、建築再生に関する研究会でご一緒させていただいている東京大学の加藤耕一先生の著書名をお借りしています。私は「時がつくる建築」を[Architecture in time]と英訳している加藤先生のセンスがとても好きですし、そもそも、時間の経過によって建築が変容し、再利用され続けるという論の展開にとても共感を覚えています。先生の著書は、私の建築再生に関する実務や研究をおこなうにあたってのバイブルでもあります。 今年の3年生は、入学時からコロナによる影響を受け、この2年間は、ほぼ、オンライン授業であったと聞いています。演習課題の説明後は各自、建築再生事例の収集・分析の作業を進め、授業時間に質問を受け付けることとしました。多くの学生さんが質問に来て、いろいろと話をしました。これまで2年間、気軽に先輩に相談することもできず、同期の友だちとも学校で情報交換もできず、画面越しや文字での人とのやりとりがとても窮屈で不安だったとのことでした。 オンラインの良さもありますが、やはり、対面での授業がいいなと思いました。これから計画対象としている谷根千エリア分析のためにみんなで現地調査に行ったり、建築再生事例の見学に行ったり、また、3つの課題の成果発表とディスカッションをおこなうなど、演習して提出するだけではなく、できるだけ、五感で感じることのできる機会を設けて授業を進めることにしています。 画面越しでは分からない、学生さんの授業に取り組む意欲や、楽しく演習を進めている雰囲気を、実際に空間共有しながら感じることができるのは、やはり嬉しいものです。教員側も2年間はオンライン中心の授業でしたので、久しぶりの対面授業に臨むことになるということで、昨日まで今年度の授業の体制を整えてきました。これから、学内で、対面で、楽しく、学生さんと過ごすことができれば幸いです。

 
4月 5, 2022

本学の2022年度入学式が執り行われました。

 4月5日、本学の文化学園遠藤記念館大ホールにおいて、2022年度入学式が執り行われました。コロナ対策のため、保護者の来場をご遠慮いただき、また、椅子の間隔を確保しながらも、短時間でしたが、春らしい華やかな式典でした。教職員の出席も制限されていたのですが、今年度、私は1年生を担当するため、久しぶりに入学式という式典に出席することになりました。  文化学園大学における建学の精神は、「新しい美と文化の創造」となっており、この精神を基本理念におくことのできる各学部は、専門性の高い学問を領域としています。服装学部は特に、世界的にも専門領域において先進的な学部となっており、日本で初の服飾に関する博士の学位が授与される大学でもあります。  祝辞は、造形学部長である建築・インテリア学科の渡邉秀俊先生が述べられました。学生に次の言葉を送りました。「創造は想像だ。(Creation is imagination)」想像することでしか、創造はできないという意味です。シンプルですが、とても素敵な言葉だなあと思って拝聴していました。本学を選んで入学した学生さんの心に響いていると嬉しいです。  昨日までの雨で、桜は散ってしまうと思われましたが、今日はすっかり晴れ、桜サイドも学生さんのために、なんとか頑張って耐えてくれたようです。4月1日の着任から慌ただしく、会議や授業の準備などに追われていますが、私も学生さんとともに、楽しく過ごしていきたいと思っています。  18階にある私の所属する研究室からの眺めと併せて、写真を投稿いたします(代々木の杜、代々木体育館、新国立競技場などが見えて、とても気持ちがいいです)。私は着任1年目ですが、本学は来年、100周年を迎えます。

 
3月 31, 2022

今年度より、文化学園大学にて准教授に着任いたします。

 今年度、2022年4月1日より、都内にある私立大学に、専任の准教授として着任することとなりました。新宿駅前にある大学で、正式な着任先は、文化学園大学 造形学部 建築・インテリア学科になります。  授業は4月から受け持ちますが、プレゼミとして今年度の後期から3年生のゼミ生を受け持ち、正式に4年生の卒業設計のゼミ生を受け持つのは、再来年度の2023年からとなります。建築再生ゼミを開くことになる予定です。  着任した大学では、建築再生やリフォームの業界に進む学生が多くなっているようで、かつ、建築再生における実務者(そもそも実務者)が大学の教員にあまりいないことと合わせて、学科の方針にも合致したことから、私が着任に至ったとお聞きしています。  学生時代には設計や意匠のことばかりを考えておりましたが、実務に携わったことにより、建築における構造・耐震の重要性を、また、意匠と構造・設備との融合を、既存部分と再生部分の取り合いの難しさを、今となっては、肌身に染みて感じております。これらのことは、私が建築構法や建築生産、特に耐震改修をともなう建築再生の研究に興味を持ち、それらについての視野を大きく広げる契機となりました。  これまで、私は、青木茂先生のもとで2000年から2020年までの20年、そして、独立後の2年間、実務者として既存建物の再生設計に携わってきましたが、首都大学東京(現東京都立大学)にて耐震改修をともなう建築再生の研究をしながら、建築学の博士の学位を取らせていただいたことや、それ以降に東京大学や母校など、いろいろな大学で特別講義や非常勤講師として、講義や設計の指導をさせていただいたことなどが、設計実務とは異なる、研究・教育、社会活動に大きく目を向けることとなるきっかけとなり、今回、大学での専任教員としてのキャリアをスタートさせることになったと考えております。  約20年前、青木先生が、建築を再生させることを建築学の一つの分野として、大学という教育機関で確立させたいと言われていたことを、今でもはっきりと覚えています。青木先生の意思を少しでも引き継ぐことができれば、少しは、青木先生に対して恩返しになるのではと思っています(面と向かっては、恥ずかしくて言えませんが)。  また、今年度は、東京都立大学で再生設計デザイン、武蔵野美術大学と同大学院で建築構法と建築構法特論、東京工芸大学大学院で木構法特論、国土交通大学校で建築再生計画の非常勤講師も併せて務めさせていただきます。  これからは、実務者としてだけではなく、建築再生の設計実務のできる教育者・研究者としても、尽力していく所存です。これからも、みなさまにご教授を賜ることがあるかと存じますが、何とぞ、ご指導いただけるとありがたいです。  これもひとえにみなさまのおかげだと思っています。このことは、私にとって、大きな挑戦となります。恩師をはじめとする、全てのみなさまとのご縁に深く感謝いたします。今後とも、引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。