今年度、前期の大学での授業が始まりました。
2022年4月12日、本学の建築・インテリア学科における今年度の授業が始まり、私の受け持つ授業も始まりました。昨日はコロナ対策を講じつつ、3年生の建築デザイン演習Ⅰの授業をおこないました。授業前に撮影した対面授業をおこなった教室の様子を投稿します。前期、私は集中講義を含む7つの授業を受け持っていますが、そのうち、新築ではない建築再生に関する授業は5つになっています。時代の要請に応じた授業をおこなっていきたいと思います。
建築デザイン演習Ⅰの授業は3名の教員で分担しているのですが、私のユニットでは、「時がつくる建築 Architecture in time」と題して、東京下町の雰囲気を残す谷根千エリア(谷中・根津・千駄木)における、既存建物の活用提案をおこなうこととなっています。課題のテーマである「時がつくる建築」は、建築再生に関する研究会でご一緒させていただいている東京大学の加藤耕一先生の著書名をお借りしています。私は「時がつくる建築」を[Architecture in time]と英訳している加藤先生のセンスがとても好きですし、そもそも、時間の経過によって建築が変容し、再利用され続けるという論の展開にとても共感を覚えています。先生の著書は、私の建築再生に関する実務や研究をおこなうにあたってのバイブルでもあります。
今年の3年生は、入学時からコロナによる影響を受け、この2年間は、ほぼ、オンライン授業であったと聞いています。演習課題の説明後は各自、建築再生事例の収集・分析の作業を進め、授業時間に質問を受け付けることとしました。多くの学生さんが質問に来て、いろいろと話をしました。これまで2年間、気軽に先輩に相談することもできず、同期の友だちとも学校で情報交換もできず、画面越しや文字での人とのやりとりがとても窮屈で不安だったとのことでした。
オンラインの良さもありますが、やはり、対面での授業がいいなと思いました。これから計画対象としている谷根千エリア分析のためにみんなで現地調査に行ったり、建築再生事例の見学に行ったり、また、3つの課題の成果発表とディスカッションをおこなうなど、演習して提出するだけではなく、できるだけ、五感で感じることのできる機会を設けて授業を進めることにしています。
画面越しでは分からない、学生さんの授業に取り組む意欲や、楽しく演習を進めている雰囲気を、実際に空間共有しながら感じることができるのは、やはり嬉しいものです。教員側も2年間はオンライン中心の授業でしたので、久しぶりの対面授業に臨むことになるということで、昨日まで今年度の授業の体制を整えてきました。これから、学内で、対面で、楽しく、学生さんと過ごすことができれば幸いです。


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