学生時代の師匠である建築家の小川晋一先生にお声がけいただき、母校で講義と設計課題の講評をすることになりました。

8月 7, 2020

独立を機に、みなさまにその旨をご報告させていただいたのですが、学生時代の師匠である建築家の小川晋一先生からも応援のご連絡をいただきました。26年前、小川建築に憧れて小川研究室の門戸を叩いてから以降、小川先生には多くの指導をしていただきました。研究室にある巨大な真っ白の一枚のミーティングテーブルのある空間に驚いたものです。修士時代、哲学の勉強とコンペばかりしてました。学部生の時は、GAの磯崎先生や原先生の論考の意味が全く理解できなかったことを記憶しています。小川先生の建築の凄さは、その哲学的な思想が込められたミニマルな形態の意匠表現なのですが、それを形づくるために考え抜かれた、一見すると何の変哲もない究極のディテールにあります。実務の設計をすればするほど、その研ぎ澄まされた空間や形態の実現がいかに困難であるかが分かるようになりました。


小川先生との出会いがなければ、その後に出会うことになる、青木茂先生との出会いもなかったかもしれません。


実は、前職時代に担当をさせていただいた建物のクライアントが小川先生にも設計を依頼されていたことを、そのクライアントからお聞きし、少し前になりますが、数年振りに小川先生にお会いして食事をご一緒させていただきました。それ以来、また、色々なご報告などのやりとりをさせていただくようになりました。世界は思っているよりも、小さいものだと感じました。


そのようなことを考えていた時に携帯電話が鳴り、先日、小川先生から母校での特別講義と設計課題の講評のお声がけをいただきました。最近の状況などを簡潔に報告させていただき、講義の依頼については、感謝の気持ちとともに、ありがたく拝受しました。久しぶりに、母校の近畿大学がある広島に行くことになります、電波だけですが。はい、オンラインでの講義と設計課題の講評会参加となります。可能であれば、母校に足を運び、後輩たちに直接講義ができればと思ったのですが、現在の社会状況を鑑みるに難しいことであることは理解しています。


電波だけにはなりますが、母校の教鞭に立つことは、非常に誇らしいものです。また、無理を言って大学院に行かせてもらった亡父にも感謝の気持ちで、少しは恩返しになるのかなと思っています。


小川先生から講義のお声がけをいただいた後、自らの修士論文を改めて読み直してみたのですが、なかなかに稚拙な論文となっており、恥ずかしさもあるのですが、その時に考えていた興味の対象がそのようなことだったのだなと思いました。笑修士論文の題目:方体建築のヴォリュームとしての意匠表現に関する研究


同じ学び舎で学生時代に私が考えていたことなども交えながら、建築の再生を設計することについての講義ができればと考えています。また、その報告は、別途、させていただきたいと思います。

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